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顧問を副業として在職中に始めるには

顧問を副業として始めるには、勤務先の副業・兼業の規定を確認し、利益相反と情報管理の線を守れる支援先を選んだうえで、非常勤の顧問として月に数回関与する形から入るのが基本です。報酬は給与ではなく業務委託の報酬として受け取り、月額固定の契約では顧問の種類に応じて月10万円から60万円程度が公開情報の目安になります。この記事では、在職中に確認すべき3点、種類別の報酬の目安と税務の基本、始める手順までを、厚生労働省と国税庁の公開資料をもとに整理します。

在職中に顧問の副業を始められるのか

会社員として勤めながら顧問を務めることは、制度の上では想定された働き方です。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、副業や兼業に関する裁判例について、労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的に労働者の自由であり、企業がそれを制限できるのは限られた場合であると整理しています。同ガイドラインは企業に対しても、裁判例を踏まえれば原則として副業や兼業を認める方向とすることが適当だとしています。

ただし、自由の範囲には線があります。ガイドラインは、企業が副業や兼業を制限できる場合として、労務提供上の支障がある場合、業務上の秘密が漏洩する場合、競業により自社の利益が害される場合、自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合の4つを挙げています。在職中に顧問を始めるかどうかは、この4つに触れずに進められるかで決まります。

在職中に始める前に確認すべき3点

ガイドラインが挙げる制限の理由を、自分の側で確認すべきことに置き換えると、次の3点にまとまります。この3点を先に押さえておけば、支援先の企業にも勤務先にも迷惑をかけずに進められます。

確認すること確認先見るポイント
勤務先の副業・兼業の規定就業規則・労働契約・人事許可制か届出制か、申請の手順
利益相反と競業避止勤務先の人事・法務支援先が勤務先と競合しないか
情報管理と守秘義務自分自身の線引き勤務先で知り得た情報を持ち込まないか
在職中に顧問を始める前に確認する3点

勤務先の副業・兼業の規定を確認する

ガイドラインは、副業や兼業を希望する労働者について、まず自身が勤めている企業の副業・兼業に関するルール、つまり労働契約や就業規則を確認し、そのルールに照らして業務内容や就業時間が適切な副業・兼業を選ぶ必要があるとしています。厚生労働省のモデル就業規則でも、労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる、という形が示されています。

可否とあわせて、申請の手順まで押さえておきます。許可制なのか届出制なのか、誰にどの書式で申請するのか、申請から承認までにどのくらいかかるのかが分かっていれば、支援先との話が進んだときに待たせずに済みます。規定に副業や兼業の記載が見当たらない場合も、自分で判断せず人事に問い合わせるのが確実です。

利益相反と競業避止を確かめる

ガイドラインは、副業や兼業を行う労働者の留意点として、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要だと述べています。顧問として企業を支援する場合、特に問題になりやすいのが競業避止です。支援先が勤務先と同じ市場で競合していれば、勤務先の利益が害されると判断される可能性があります。

確認は、支援先を決める段階で行います。業種と顧客層がどこまで重なるのか、勤務先が現に取引している相手や提案中の相手と重なっていないかを見ます。線引きが自分だけで判断しにくい場合は、支援先の名前を出せる範囲で勤務先の人事や法務に相談し、必要に応じて弁護士に確認してください。

情報管理と守秘義務の線を引く

業務上の秘密の漏洩は、ガイドラインが挙げる制限の理由の一つです。勤務先で知り得た顧客の情報、価格や原価の情報、開発中の技術情報は、支援先に持ち込まないという線を自分で引いておきます。顧問として提供するのは、これまでの実務で培った判断の力と、自分自身が築いてきた人脈です。どの相手にどう届けば話が前に進むのかという知見は、勤務先の資料とは別に自分のなかに蓄積されたもので、この区別をはっきりさせておけば、支援先に対しても勤務先に対しても堂々と説明できます。

在職中の関わり方の実際

在職中の関わり方は、非常勤の顧問として月に数回関与する形が中心になります。契約では対応する頻度や時間の目安を先に決め、勤務先の業務と両立できる範囲を支援先とすり合わせておきます。その回数のなかで担うのは、相手を見極め、ご紹介し、商談に同席し、成約まで見届けるという一連の役割です。自分の判断が企業の事業を動かしていく実感は、この一貫した関わり方から生まれます。

商談は平日の日中に設定されることが多いため、動ける曜日や時間帯を支援先と先に共有しておくと、双方の予定を合わせやすくなります。有給休暇をどう使うかも含めて、現実的な線を最初に決めておきましょう。足を運ぶ場面があるということは、事業の現場に近い距離で関われるということでもあります。

顧問の副業の報酬相場と税務の基本

顧問の報酬は、月額固定の契約で経営顧問が月10万円から60万円程度、営業顧問と技術顧問が月10万円から50万円程度というのが公開情報の目安です。金額は関与の深さ、企業の規模、専門分野によって幅があり、月額固定に成果報酬を組み合わせる契約もあります。

顧問の種類月額固定の目安補足
経営顧問月10万円から60万円程度成果報酬型では売上高の数パーセント程度とする例がある
営業顧問月10万円から50万円程度成果報酬型ではアポイント1件あたり3万円から5万円程度の例がある
技術顧問月10万円から50万円程度時間単位の契約では時給1万円から5万円程度
顧問の種類別に見た月額固定の報酬の目安

副業として関わる場合は、月に数回の関与から始めることが多いため、この目安の下限に近い水準から入るのが現実的です。金額は稼働の頻度と担う範囲で決まるので、契約の前に、月に何回、どの場面まで関わるのかを支援先とすり合わせておきます。

顧問としての報酬は、勤務先から受け取る給与とは別に、業務委託の報酬として支払われます。勤務先の年末調整とは切り離して、自分で申告する手続きが必要になります。

所得区分は、雑所得か事業所得のいずれかで扱われます。国税庁は、雑所得を利子所得や事業所得など他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得と説明し、事業所得は総収入金額から必要経費を差し引いて計算すると示しています。副業として得た報酬がどちらに当たるかは、営利性や継続性、企画遂行性といった実態から判断されるため、自分の状況に合わせて税理士や所轄の税務署に確認してください。

項目扱い
受け取り方給与ではなく業務委託の報酬
所得区分雑所得または事業所得(実態で判断)
確定申告給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると必要
個人住民税普通徴収と特別徴収があり、自治体の運用で扱いが変わる
在職中の顧問報酬の扱い

確定申告の目安は、ガイドラインにも記載があります。副業や兼業を行い20万円を超える副収入がある場合は、企業による年末調整ではなく個人による確定申告が必要とされています。国税庁も、1か所から給与を受けている方で、給与所得と退職所得以外の各種所得の合計額が20万円を超える場合は確定申告が必要だと示しています。

在職中から始める利点

ガイドラインは、労働者にとっての副業や兼業の利点として、本業を続けながら、より小さいリスクで将来の起業や転職に向けた準備や試行ができることを挙げています。顧問という関わり方も同じで、在職中から始めることには、退職後に始める場合とは違う意味があります。

  • 自分の実務経験と人脈が、どの業界のどんな課題に求められるのかを、在職中のうちに実際の企業との関わりで確かめられます。
  • 支援先での実績と、そこで生まれた関係が先に積み上がるため、退職後の立ち上がりが早くなります。
  • 経営者と対等に議論する場に身を置くことで、勤務先での仕事の見え方も変わってきます。

在職中に顧問の副業を始める手順

  1. 就業規則と労働契約で、副業・兼業に関する規定と申請の手順を確認する
  2. 支援先の候補が勤務先と競合しないか、業種と顧客層の重なりを確かめる
  3. 勤務先の手順に沿って、必要な届出や許可の申請を行う
  4. これまでの実務経験と人脈を棚卸しし、どの業界のどんな課題に力を出せるかを言葉にする
  5. 顧問を探す企業とつながる場にプロフィールを登録し、届いたオファーごとに稼働と条件をすり合わせる

顧問ダイレクトは、経験と人脈を持つ営業顧問と、営業を強化したい企業を直接つなぐマッチングサービスです。プロフィールを登録しておくと、条件に合う企業からオファーが届きます。届いたオファーに応じるかどうかは一件ごとに判断できるため、勤務先の規定を確認しながら自分のペースで進められます。契約条件や契約書の項目については、個人で顧問契約を結ぶ記事もあわせてご覧ください。

在職中の顧問が向いている方・向いていない方

在職中に顧問を始めることは、勤務先との関係を保ちながら新しい役割を担うことでもあります。向き不向きを先に知っておくと、始めてからのずれを避けられます。

  • 勤務先の規定を確認し、必要な申請を正面から通せる方は、支援先にも安心して関わってもらえます。
  • 特定の相手に確実に届く人脈を持ち、見極めからご紹介、商談同席、成約まで一貫して関わる意思のある方に向いています。
  • 退職を数年先に見据えていて、その前に自分の経験の市場価値を確かめておきたい方には、始める意味が大きくなります。

一方で、勤務先の規定を確認しないまま進めたい方や、支援先の商談に足を運ぶ時間を確保しにくい方には、在職中の顧問はかみ合いにくくなります。勤務先と同じ市場の企業しか支援先の候補が思い浮かばない場合も、競業の判断が難しくなるため、先に勤務先へ相談することをおすすめします。

よくあるご質問

会社に知られずに顧問の副業を始められますか。

まず勤務先の就業規則と労働契約で副業・兼業の規定を確認し、届出や許可が必要であればその手順に沿って申請してください。厚生労働省のガイドラインも、労働者はまず自身が勤めている企業のルールを確認したうえで適切な副業・兼業を選ぶ必要があるとしています。規定に反したまま始めると、勤務先との関係だけでなく、支援先の企業にも影響が及びます。

顧問の副業の報酬相場はどのくらいですか。

公開情報では、月額固定の契約で経営顧問が月10万円から60万円程度、営業顧問と技術顧問が月10万円から50万円程度が目安とされています。技術顧問は時間単位の契約で時給1万円から5万円程度という水準も示されています。副業として月に数回関わる形では下限に近い水準から始まることが多く、稼働の頻度と担う範囲で金額が変わります。

在職中に顧問を始めると住民税はどうなりますか。

顧問としての所得が加わると、その分が個人住民税の計算に反映されます。個人住民税の徴収方法には、市区町村から届く納税通知書で自分で納める普通徴収と、給与から差し引かれる特別徴収があります。どちらの扱いになるかは申告時の選択や自治体の運用によって変わるため、居住地の市区町村や税理士にご確認ください。

競業避止義務に触れるかどうかはどう判断しますか。

厚生労働省のガイドラインは、競業により自社の利益が害される場合を、企業が副業・兼業を制限できる場合の一つに挙げています。支援先が勤務先と同じ市場で競合するかどうかは、業種と顧客層の重なりや、勤務先が現に取引している相手との重複から確認します。判断に迷う場合は、勤務先の人事や法務、または弁護士にご確認ください。

顧問の報酬について確定申告は必要ですか。

厚生労働省のガイドラインは、副業・兼業を行い20万円を超える副収入がある場合は、企業による年末調整ではなく個人による確定申告が必要としています。国税庁も、1か所から給与を受けている方で給与所得と退職所得以外の各種所得の合計額が20万円を超える場合は確定申告が必要だと示しています。所得区分の判断は税理士や所轄の税務署にご確認ください。

在職中はプロフィールの登録だけにしておけますか。

できます。顧問ダイレクトはプロフィールを登録しておくと条件に合う企業からオファーが届く仕組みで、応じるかどうかは一件ごとに判断できます。勤務先の規定を確認しながら、条件が合う相手が現れた段階で話を進める形も選べます。

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