顧問として登録するサービスの選び方
顧問として登録できるサービスは、案件の届き方も、報酬を受け取る相手も類型によって異なります。この記事では、登録する側の視点でサービスの類型を整理し、手数料の構造や契約の相手など、選ぶときに見るべき6つの軸を解説します。登録前に確かめておきたい点と、登録から稼働までの流れもあわせて扱います。

顧問として登録できるサービスの全体像
顧問として登録できるサービスは、案件がどう届き、誰と契約して報酬を受け取るのかによって、大きく3つの類型に分かれます。呼び方はサービスごとに違いますが、このどれに当たるのかを先に見分けておくと、条件の比較がしやすくなります。同じ類型でも細部は運営会社ごとに異なるため、最終的には規約と料金の説明で確かめることになります。
| 類型 | 案件の届き方 | 契約と報酬の相手 |
|---|---|---|
| エージェント型 | 担当者が案件を選んで持ち込む | 仲介会社を介する形が中心 |
| 登録型マッチング | 企業が一覧から探して声を掛ける | 企業と直接結ぶ形もある |
| スポット相談型 | 単発の相談依頼が届く | 運営が報酬を仲介する形が中心 |
登録先を選ぶときに見る6つの軸
サービスを見比べるときは、登録企業数や知名度よりも、自分の手元に何がどう残るのかを決める条件を見ます。手数料の構造、契約の相手、案件の領域、連絡の方針、経歴の公開範囲、複数登録の可否という6つを、登録する前に一つずつ確かめてください。
手数料の構造を確かめる
最初に見たいのは、企業が支払う金額と、自分が受け取る金額の関係です。仲介会社が案件を持ち込む形では、企業が支払った金額から仲介分を差し引いた額が顧問に渡ることがあります。企業と直接契約する形では、当事者間で合意した金額をそのまま受け取ります。どちらの構造なのか、差し引かれるのであればその割合と計算の基準を、規約や料金の説明で確かめます。記載が見当たらないときは、登録する前に問い合わせて確認しておくと確実です。
契約を結ぶ相手を確かめる
契約の相手が企業なのか運営会社なのかで、業務範囲の決め方も報酬の交渉相手も変わります。企業と直接結ぶ場合は、支援の範囲や稼働、報酬を相手企業と自分で詰めることになります。運営会社と結ぶ場合は、条件の窓口が運営会社になり、企業側の事情が伝わるまでに一段挟まります。どちらにも進め方の違いがあるため、自分がどこまで自分で決めたいかで選びます。
どちらの形でも、従業員を使用しない個人が業務委託で仕事を受けるときは、フリーランス・事業者間取引適正化等法の対象となる特定受託事業者に当たります。業務を委託する側には、給付の内容や報酬の額、支払期日などの取引条件を明示する義務があり、従業員を使用する発注事業者には、給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定めることが求められています。条件が口頭のまま進みそうなときは、この明示を求めて構いません。
案件の領域と自分の経験が合うか
登録先に集まる企業の業種と、依頼される支援の内容が、自分の経験や人脈と重なるかを見ます。同じ顧問という言葉でも、経営全般への助言を求める依頼と、販路の開拓を一緒に進める依頼では、求められるものが違います。自分がアプローチできる企業や部署、役職のレベルに合った依頼が届く場所を選ぶと、承諾したあとの話が早く進みます。生きる経歴は営業部門に限らず、購買や経営、事業開発など様々です。
連絡とスカウトの方針
登録したあとにどのくらいの頻度で連絡が来るのかは、登録をためらう理由になりやすい部分です。担当者から電話や面談の案内が定期的に届くサービスもあれば、企業からオファーが届いたときだけ通知が来るサービスもあります。自分がどちらを望むのかを決めたうえで、通知の設定を自分で変えられるか、受け取りたくない相手をあらかじめ除外できるかまで確かめておくと安心です。
経歴と個人情報の公開範囲
登録した経歴が、どこまで誰に見えるのかは登録前に必ず確認します。氏名や連絡先が一覧に出るのか、承諾するまで伏せられるのかで、現職に在籍しながら登録できるかどうかが変わります。個人情報保護委員会は、個人データを第三者に提供する場合、原則としてあらかじめ本人の同意を得ることとし、一定の要件の下でのみ同意を得ないで提供できると説明しています。登録の画面で、どの情報を誰に渡すことに同意しているのかを読み、公開を止められる仕組みがあるかもあわせて見ておきましょう。
複数登録ができるか
一つのサービスに専属する条件があるのか、他社と併用してよいのかを規約で確かめます。専属の定めがあると、他で届いた依頼を受けられなくなることがあります。あわせて、退会の手続きと、退会したあとに登録した経歴がどう扱われるのかも見ておきます。始めやすさだけでなく、やめやすさまで見て選ぶと、後から身動きが取りやすくなります。
登録前に確認しておくこと
6つの軸で候補が絞れたら、登録の手続きに進む前に、次の点を実際の画面や書面で確かめます。いずれも登録したあとでは変えにくい条件です。
- 利用規約と、経歴や連絡先の取り扱いを定めたプライバシーポリシー
- 報酬から手数料が引かれるのか、引かれる場合の割合と計算の基準
- 契約を結ぶ相手が企業なのか、運営会社なのか
- 登録や掲載に費用がかかるのか、かからないのか
- 退会の手続きと、退会後に登録した情報がどう扱われるのか
- 運営会社の所在地と事業内容(会社概要のページで確認できます)
複数のサービスに登録して見比べる
登録先を一つに絞る必要は、規約で専属が定められていない限りありません。複数に登録しておくと、集まる企業の業種や依頼の内容の違いが見えてきて、自分の経験がどこで求められているのかを実際の依頼で確かめられます。まずは条件を確かめた2社ほどに登録し、届く依頼の内容と量を数か月見てから、続ける先を絞っていく進め方が現実的です。どこからどんな依頼が届いたのかを記録しておくと、判断の材料になります。
顧問ダイレクトはどの類型にあたるか
顧問ダイレクトは、企業が顧問の一覧から探してオファーを送る登録型マッチングにあたります。登録とオファーの確認は無料でご利用いただけます。この記事の6つの軸に当てはめると、次のとおりです。
- 手数料の構造: 成約マージンをいただきません。企業と合意した報酬は全額あなたに渡ります。運営は企業側の利用料で成り立っています。
- 契約の相手: 契約は企業と直接お取り交わしいただきます。報酬と支援の範囲は当事者間で合意します。
- 案件の領域: 営業の強化を目的とした依頼が中心で、アプローチ先の見極めからご紹介、商談への同席、条件のすり合わせまで一貫して関わっていただきます。
- 連絡の方針: 企業からオファーが届いたときに通知します。受け取りたくない企業はNG企業として登録でき、送信をシステム側で止めます。
- 公開範囲: 氏名と連絡先は、オファーを承諾した企業にだけ開示します。人脈(企業名・部署・役職)と年齢、経歴や強みは承諾前から企業に公開されます。
- 複数登録: 専属の条件はありません。掲載を止めたいときは、いつでも非公開に切り替えられます。
登録から稼働までの流れ
登録先を決めたあとの進み方は、サービスによって細部が異なります。顧問ダイレクトの場合は、次の順に進みます。
- メールアドレスで登録し、経歴と強み、実務経験年数を入力する
- アプローチできる企業名・部署・役職と、対応できる支援内容、希望条件を登録する
- プロフィールが企業の顧問一覧に掲載され、条件に合う企業からオファーが届く
- 企業名・事業内容・募集背景とメッセージを確認し、承諾するか辞退するかを選ぶ
- 承諾すると連絡先が相互に開示され、メッセージと面談で支援内容と条件を相談する
- 条件がまとまりしだい、企業と直接契約を取り交わして支援を始める
顧問として登録するのが向いている方・向いていない方
登録先を選ぶ前に、そもそも自分がこの関わり方に合うのかを見ておくと、登録したあとのずれを避けられます。
- アプローチ先の役員や部署、担当者のレベルを自分で見極められる方は、企業から求められやすくなります。
- ご紹介したあとも商談に足を運び、条件のすり合わせまで関わる意思のある方は、継続した依頼につながります。
- 業務範囲や報酬を自分の言葉で企業と取り決められる方は、直接契約の形を生かせます。
一方で、届いた依頼の内容を確かめずに登録先を増やしたい方や、経歴を登録したあとは連絡を待つだけにしたい方には、期待した結果になりにくい面があります。依頼ごとに、自分の経験がどこで役に立つのかを言葉にして返す必要があるためです。登録してすぐに依頼が届くとは限らないため、数か月単位で様子を見る前提で始めるとよいでしょう。
よくあるご質問
顧問として登録するのに費用はかかりますか。
サービスによって異なるため、登録や掲載に費用がかかるのかは規約と料金の説明で確かめてください。顧問ダイレクトでは、登録とオファーの確認を無料でご利用いただけます。
複数のサービスに登録してもよいですか。
規約で専属が定められていなければ登録できます。複数に登録すると、集まる企業の業種や依頼の内容の違いを実際の依頼で比べられます。顧問ダイレクトには専属の条件はありません。
登録すれば必ず案件が届きますか。
登録した経歴や人脈、対応できる支援内容と、企業が探している条件が合ったときにオファーが届きます。登録してすぐに届くとは限らないため、数か月単位で様子を見る前提で始めるとよいでしょう。
氏名や経歴はどこまで公開されますか。
公開の範囲はサービスによって異なります。個人データを第三者に提供する場合は、原則としてあらかじめ本人の同意を得ることとされているため、登録画面でどの情報を誰に渡すのかを確かめてください。顧問ダイレクトでは、氏名と連絡先はオファーを承諾した企業にだけ開示し、人脈と年齢、経歴や強みは承諾前から企業に公開されます。
顧問として登録するには営業部門の経歴が必要ですか。
営業部門の出身に限りません。重視されるのは、どの企業のどの部署のどの役職に当たるべきかを見極められることや、商談を前に進めてきた実務経験です。購買や経営、事業開発など様々な経歴が生きます。
関連記事
- 顧問向け
顧問になるには?企業の顧問への移り方と求められる経験
顧問というキャリアに関心のある方へ。正社員転職との違い、業務委託を中心とした働き方、複数社と関わる進め方、求められる経験を公開情報から整理します。移り方までを具体的に解説する記事です。
- 顧問向け
顧問の報酬相場はいくら?形態別の目安と決まり方
顧問として報酬を得たい方へ。営業顧問を中心に、月額固定・成果報酬・時間単価という報酬形態別の相場の目安と、金額を左右する要因を公開情報から整理します。士業の顧問料との違いも解説します。
- 顧問向け
会社の顧問とは?種類・仕事内容と顧問になるまでの流れ
会社の顧問とは何かを、顧問になる側の視点から整理します。会社法上の位置づけ、内部顧問と外部顧問、領域別の種類、士業の顧問との違い、実際の仕事内容、報酬と契約の基本、顧問になるまでの流れを公開情報から解説します。