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定年後に顧問として働くという選択肢

定年後に顧問として働くとは、役員や部長として積み上げた経験と人脈を、雇用ではなく業務委託の形で企業に提供する選択肢です。相手を見極めてご紹介し、商談に同席して成約まで関わるのが役割で、公開されている相場情報では、経営顧問の月額報酬は標準的なケースで月10万円から30万円程度が目安とされています。定年後のキャリアをどうするか考えている方に向けた記事です。役員や部長として積み上げてきた経験を、顧問という立場でどう活かせるのか。制度の背景や、企業が顧問に何を求めているのかとあわせて、始め方までを整理します。

定年後の顧問とはどんな働き方か

定年後に顧問として働くとは、これまでの実務で培った知見と人脈を、支援を求める企業に継続して提供する働き方です。多くは雇用ではなく業務委託の形で、一社に縛られずに関わることもできます。過去の役職の延長ではなく、自分の判断で企業の事業に踏み込める立場だという点が、再雇用や嘱託とは異なる魅力です。

関わり方には幅があります。公開されている相場情報では、月1回2時間ほどの定例ミーティングで助言する形から常時のサポートまでが、月額報酬の水準と対応づけて整理されています。営業を支援する場合は、決裁者を見極めてご紹介し、商談に同席して成約まで関わるところまでを担うことが多く、事業に踏み込むほど任される範囲も報酬も大きくなります。金額の目安は、月額固定であれば経営顧問で月10万円から30万円程度が標準的なケース、営業や販路開拓を成果報酬で担う場合は成約額の5%から30%といった設定が紹介されています。

特に営業を強化したい企業にとって、決裁者クラスとのつながりや、商談を前に進めてきた経験は、社内では簡単に補えないものです。相手を見極め、ご紹介し、商談に同席し、成約まで一貫して関わる。そうした関わり方ができる方は、定年後もむしろ請われる立場になり得ます。

再雇用や嘱託として同じ会社に残る道もありますが、そこでは役割や裁量が縮んでしまうことも少なくありません。顧問という立場は、これまで培った判断力をそのまま活かし、外の企業に対して自分の名前で価値を出していく働き方です。長く現場で意思決定に関わってきた方ほど、その手応えを求める傾向があります。

なぜ定年後に顧問という選択肢が広がっているのか

背景の一つに、働く期間そのものが長くなっていることがあります。2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、これまでの65歳までの雇用確保に加えて、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務として新たに加わりました。

この就業確保の選択肢には、定年の引き上げや継続雇用だけでなく、業務委託契約を結ぶ仕組みも含まれています。つまり、社員として雇われ続ける道だけでなく、企業と対等に契約して知見を提供する道が、制度の面からも位置づけられつつあるということです。顧問はその代表的な形の一つと言えます。

制度が後押ししているとはいえ、努力義務である以上、席が自動的に用意されるわけではありません。企業が求めるのは、年齢そのものではなく、事業を前に進めてくれる具体的な力です。だからこそ、自分の経験を相手の課題に結びつけて語れることが、定年後の顧問として動き出す土台になります。

役員・部長経験の活かし方

定年後のキャリアを考えるとき、つい「何をやりたいか」から入りがちです。しかし新しい環境で価値を出すには、自分の経験で相手に何を提供できるか、という視点が欠かせません。セカンドキャリアの解説でも、やりたいこと、できること、求められることの3つの視点から自分を見つめ直すことが有効だと整理されています。

役員や部長として培ってきたものは、営業部門の出身かどうかにかかわらず価値になります。購買や経営、事業開発の現場で決裁に関わってきた経験は、相手企業がどの役職者にどう届けばよいかを見極める力につながります。次のような資産は、顧問として特に活きやすい部分です。

  • 役員や決裁者クラスとの人脈と、その相手への届き方の勘所
  • 商談や交渉を前に進めてきた実務経験
  • 組織を動かし、人を育ててきたマネジメントの経験
  • 業界の構造や意思決定の流れに対する理解

大切なのは、これらを漠然と経験があると伝えるのではなく、どの場面でどう役立てられるのかまで落とし込むことです。過去にどの役職者と、どのような課題をどう動かしたのか。具体的なエピソードとして語れるほど、相手企業は自社の状況に重ねてイメージしやすくなります。

経歴の伝え方に迷ったら、相手の立場で考えてみるのがよいでしょう。企業は、自社が今ぶつかっている壁を越えた経験のある人を求めています。自分の実績のなかから、その壁に近いものを選んで語れば、経験は一気に相手ごとの価値へと変わります。肩書きの大きさより、課題との重なりが響きます。

始め方は立場によって選べます

同じ定年前後でも、置かれた立場によって無理のない入り方は変わります。自分が今どの段階にいるかを踏まえて選ぶと、はじめの一歩を踏み出しやすくなります。

  • 現役の役員や部長のうちから、別の企業の顧問を兼ねて始めたい方には、まず1社に絞って深く関わる形が向いています。
  • 退任後に本格的に取り組みたい方には、複数社と契約し、これまでの経験を幅広く生かす進め方が合います。
  • 特定の業界に深い人脈を持つ方には、その業界の企業に絞って関わると、人脈の質がそのまま価値になります。
  • 経営や事業の全体を見てきた方には、特定の課題に限らず、事業の方向づけから関われる進め方が向いています。

企業が顧問に求めるもの

企業が顧問に期待するのは、肩書きそのものではなく、事業を前に進める具体的な力です。人材紹介サービスの解説では、営業顧問の役割として、人脈を活かした新規開拓の支援に加えて、商談の場への同行や助言、営業組織の底上げまでが挙げられています。

商談のために出向くことをいとわない方であれば、活躍の場はさらに広がります。現場に足を運び、相手の反応を見ながら次の一手を考えられることは、長い実務のなかで自然に身につけてきた強みだからです。若手だけでは踏み込みにくい相手にも、経験を重ねてきた方であれば落ち着いて向き合えます。その落ち着きと判断力こそ、定年後だからこそ提供できる価値だと言えます。

定年後に顧問を始めるには

始めるにあたって特別な国家資格は求められません。重視されるのは、これまでの実務経験と実績、そして人脈です。まずは自分の経験を棚卸しし、どの業界のどんな課題に対して力を出せるのかを言葉にしておくとよいでしょう。

  1. これまでの実務経験と人脈を棚卸しし、提供できる価値を言葉にする
  2. 支援できる業界や課題のテーマを、具体的に絞り込む
  3. 顧問を探す企業とつながる場に、プロフィールを登録する
  4. 届いた相談や依頼に対して、関われる範囲と条件をすり合わせる

焦って多くの企業に手を広げるより、まずは自分が本当に力を出せる相手を一社見つけることを目標にするとよいでしょう。そこで信頼を積み重ねれば、次の依頼や紹介につながっていきます。定年後の顧問は、短い時間で成果を競うより、経験を長く活かしていく働き方だと捉えると、気持ちにゆとりが生まれます。

顧問ダイレクトは、経験と人脈を持つ営業顧問と、営業を強化したい企業を直接つなぐマッチングサービスです。プロフィールを登録しておくと、条件に合う企業からオファーが届きます。定年後にどんな企業から求められるのかを、実際のオファーを通して確かめながら進められます。

定年後の顧問に向いている方・向いていない方

定年後の顧問は、誰にでも同じように向いているわけではありません。あらかじめ向き不向きを知っておくと、始めてからのずれを避けられます。自分の強みと関わり方を照らし合わせて考えてみましょう。

  • 過去の肩書きにこだわらず、相手企業の課題に関心を持って向き合える方は、年齢に関わらず歓迎されます。
  • 自分の判断で動くことを楽しめ、経営者と対等に議論できる方は、続けていくうえで支えになります。
  • 商談のために現場へ足を運ぶことをいとわない方は、企業が求める一貫した支援とかみ合います。
  • 組織を率いてきた方は、顧問先の若手や次の世代に判断の基準を伝える役割でも力を発揮できます。

反対に、指示を待つ姿勢のままだと、業務委託という立場ではかみ合いにくくなります。何を任されるかを待つのではなく、相手の状況を見て自分から動く主体性が問われます。過去の役職の肩書きだけで価値を示そうとする方や、現場に足を運ぶ意思がない方には、この働き方は機能しにくいと言えます。

迷ったら、いきなり本格的な稼働を目指さず、一社の小さな関わりから始めて手応えを確かめるとよいでしょう。

よくあるご質問

定年後に顧問になるのに資格は必要ですか。

特定の国家資格は必要ありません。重視されるのは、これまでの実務経験や実績、そして役員や決裁者クラスとの人脈です。営業部門の出身かどうかも問われず、購買や経営、事業開発など様々な経歴が活きます。

役員や部長の経験は営業顧問として活かせますか。

活かせます。決裁に関わってきた経験は、相手企業のどの役職者にどう届けばよいかを見極める力につながります。商談を前に進めてきた経験や、人を育ててきたマネジメントの経験も評価されやすい部分です。

定年後も企業に顧問として求められるのですか。

2021年施行の改正高年齢者雇用安定法で70歳までの就業確保が努力義務となり、業務委託で知見を提供する働き方も選択肢に位置づけられました。決裁者との人脈や商談を進めてきた経験は社内で補いにくく、請われる場面は少なくありません。

顧問はどのように始めればよいですか。

まず自分の経験と人脈を棚卸しし、支援できる業界や課題を具体的に絞り込みます。そのうえで顧問を探す企業とつながる場にプロフィールを登録し、届いた相談に対して関われる範囲と条件をすり合わせていくのが基本的な流れです。

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